老人保健施設における医師の役割
老人保健施設における医師の仕事内容は、入所者への医療ケアなどを医学的に管理することです。診察や治療方針の決定は医師にしかできませんから当然といえます。また入所者の状態を把握して指示を出します。看護士・リハビリ専門職は医師の指示のもと、適切な医療ケアを提供するのです。
老人保健施設における医師の仕事内容が他の病院の医師と違う点は、医療チームのコーディネーター的な役割が大きいという点です。入所者は病院の急性期の患者のように常時治療を必要とするわけではありませんので、医療行為自体は頻繁には行いません。診断・処置よりも入所者がどのような治療やリハビリを行えば在宅復帰できるかを考えて医療職・介護職へ適切な指示を行う役割のほうが大きいといえます。
老人保健施設は入所者100人に対し常勤医師1人(100人以下でも最低1人)が法律で定められた人員基準です。したがって、施設の入所者数によって勤務する医師の人数・勤務形態は変わります。また常勤医師の人員基準を非常勤医師数名でカバーすることもあります。
基本的には24時間常駐ですから夜勤もありますし、深夜の呼び出しに応じなくてはいけない場合もあります。また、法律で老人保健施設の管理者は医師であることが義務付けられていますので、医師ではない人が施設の理事長などであっても別途に医師が管理者を担っています。介護老人保険施設としての届出などには医師が管理者として記載されます。